眠り姫と総長様 Ⅲ


ピロン
『着いたよーん』


「…秦さん着いたらしい」


「あの人ってテキトーそうに見えて絶対時間ピッタリだよな」


通知を見て憂鬱になりながら未衣の為に用意した大量のお菓子を持った航輝達と一階に降りた


既に秦さんは車から降りて中で面子達と楽しそうに話していて、いち早く俺らの存在に気づいた


「よ〜。久々の再会は楽しめた〜?」


「お陰様で。ありがとうございました。」


「いいのいいの〜。お嬢も息抜き出来た〜?」


「も〜!しーくんたら行くなら行くって言ってよ〜!」


「ごめんごめん。だってお嬢事前に言ったら行かないって言いそうだったから」


「むぅ」


秦さんの言葉にそっぽ向いて頬を膨らませて拗ねる未衣はとてつもなく可愛かったが


「未衣、俺たちはお前が思ってる程柔じゃねぇ」


「でもっ!」


「そうだそうだ〜」

「未衣ちゃん!僕たちだって強いんだよ?」

「一応全国トップですからね」


秦さんの言葉を否定しないのは気に食わねえな