そっとバレないように扉を開けて下で楽しくお喋りをしている未衣の姿を見つめた
もし未衣が掟を破ったら俺の手で未衣を殺せ、か
俺たちの、俺のお姫様は随分と酷なことを言う
お前を繋ぎ止めるだけで精一杯だっつーのに
「はっ…だっせぇな」
まだ起きてもないことに怯えるなんてらしくねぇや
「あれ、未衣ちゃんは?」
「下にあいつらと喋りにいった」
ほのかに甘い香りがする幹部室に入ると海が未衣に渡すお菓子とかスイーツとかなんか色々準備してた
「湊〜お前も俺が作ったクッキー食べるか?」
「いらねぇ。てかなんでそんなん作ってんだよ」
「昔未衣と母さんとよくクッキー作ってたからよ。懐かしいもん食べたら仕事捗って早く終わりそうだろ??」
そう言ってニィっと笑う航輝はすげえ大量のクッキーを何袋かに分けて簡単なラッピングをしてた
こいつ普段大雑把なくせに変なところ家庭的っつーかなんつーか
きっと未衣を預かってた時に一緒に覚えたんだろうなっていうのが分かる


