「ご馳走様でした!海くんありがとう〜!」
「どういたしまして。喜んでもらえて良かったです」
ケーキを食べ終わって満足したのか少し眠そうにあくびをしている
焼き菓子は未衣が仕事中とかに食べられるように、と海が紙袋に入れて準備していた
「未衣寝るか?」
「ん〜、さっき寝たもん〜」
「眠いだろ」
「未衣、寝なくてもいいから湊と部屋でゆっくりして来たら?」
焦ったように口を挟んだ航輝
俺の未衣不足を最大限に解消させたいんだろう
……なんせ後で苦労するのが自分達だからな
申し訳ないとは思っているが。
「分かった〜」
未衣が了承してすぐに手を引いて総長室に戻った
「未衣」
「は〜い」
「好きだ」
「あ、あたしも好きだよ?」
ベッドに腰を下ろして小さな身体を抱き締める
顔を赤くして言う未衣に、グっときた
俺だって一応健全な男子高校生だからな
「未衣、」
「んぅ…み、なと」
そのままベッドに押し倒して組み敷くと、未だにその行為に慣れない未衣は目を潤ませて俺を見つめていた
「今は全部忘れろ」
俺を求める未衣が愛おしくて、俺を見つめる瞳すらも独り占めしたくて
今こうして繋がっているはずなのに、幸せなはずなのに
明日にはまた遠い存在になってしまう彼女になんとも言えない苦しさが襲う
「湊、ごめんね。愛してるよ」
情けなく泣くのを堪えてる俺を見つめて頬をそっと撫でる未衣は、多分俺と同じように泣きそうな表情を浮かべていた
ただ愛おしくて俺だけのものにしたくて、一晩中愛し合って欲を吐き出す俺を未衣は必死に受け入れてくれた


