「…益田剛には気をつけて」
「益田剛?」
初めて聞く名前に首を傾げた航輝たち
「益田組の若頭だ」
航輝たちには未衣の仕事の相手が益田組という組だと名前だけは話していたから納得した
「組の事は詳しく知らねえけどさ、俺たちを狙ってるのは益田組じゃなくて益田剛なの?」
「益田剛は、私に勝つ為なら手段を選ばない。あの男は組じゃなくて、私を潰したいだけだから」
珍しく不機嫌な顔をして航輝の質問に答える未衣
「未衣ちゃんを潰したいの?なんで?」
「昔から私に勝負を挑んでは負け続けてその度にプライド潰されてたからかな。やっと龍神っていう私の弱点を掴めた。こんな絶好のチャンスないってあの単細胞なら考える」
どんどん口が悪くなっていく未衣に、相当その男が嫌いなんだと察した
ちっ。未衣にちょっかいかけやがって殺すぞそいつ
「な、なるほど」
「接触してきても相手にしないですぐに連絡してほしい。もし誰か捕まっても、絶対にあいつらの元に乗り込まないで。」
「わかりました」
もし、なんて言葉を使っているが近々そうなると確信のある言い方
どうやら警戒する必要があるらしい


