それから1時間後
「ふぁ〜、しーくん着い……え?」
「おはよ未衣」
「え?え?え?」
やっと目が覚めた未衣は、秦さんの運転する車内ではなく目の前に俺が居る事で焦っていた
「やっと起きた」
まだ頭が上手く回らないのか、状況の読み込めていない未衣に思わず頬が緩んだ
「み、なと?あれ、しーくんは?」
「秦さんが未衣の事ここまで連れてきてくれた。明日の昼に迎えくる」
「しーくんめ〜」
ぷくぅと頬を膨らませて怒る未衣すらも愛おしくて、親指でその頬を撫でた
「よく寝れたか?」
「…寝れました」
「なんで敬語なんだよ」
「む〜っ」
むくれる未衣は俺の胸に顔をグリグリと押しつける
「あんま可愛い事してっと襲うぞ」
「んひゃっ」
「こっちは我慢の限界なの。分かってる?」
背筋に指を這わせるとコクコクと頷きながら大人しくなった
「うぅ〜」
未だに黙って連れて来られたのが気に入らなかったのか拗ねているが


