「最近眠り姫見なくない?」

「一度でいいから見てみたいな〜」


青華高校には、"眠り姫"と呼ばれる一人の女の子がいる。


"女"ではなく"女の子"のほうが似合う。


こげ茶の髪に長い睫毛、ピンクのプルプルした唇。


この学校の生徒なのに……


"一部"を除いて、彼女の素性を知る者は
居ない。


だが、眠り姫を見た者は必ず言う


ーー完璧すぎて近づけない。


それは彼女の整い過ぎた容姿のことを言うのか……


あるいは、彼女の纏う雰囲気のことを言うのか……



それは見た者にしかわからない。