「はあ……」

頭を抱えてため息ばっかりしている私を見ていた百合が。

鬱陶しそうな目で私を見ながら言う。


「ちょっと琴子、いい加減そのため息やめなさい !!あまりため息ついてると、幸せが逃げるわよ?」

「……どうせ幸せなんて、初めから逃げてるもの」

「……全く。らしくないわよ?一体何をそんなに落ち込んでるのよ?お願いだから私まで巻き込まないで頂戴ね」

軽く私を睨んできた百合の目は。

まるで凶器さえ感じさせるほどの鋭さだった。