「コウにお土産くれたって聞いたよ。ありがとね。
あいつ凄い喜んでた」

「本当?よかった」



コウくんのお土産には結構悩んだのだ。
喜んでもらえてよかった。

実はお兄ちゃんへのお土産のお金を少し削ってコウくんのを多めにしたのだ。
兄、ごめん。コウくんの可愛さが勝ったの。




「そういえば、誠学いつ行くの?」

七瀬くんにそう言われて思い出した。

金髪男こと神谷くんの元へハンカチを取りに行かなければいけないんだった。


「あー。どうしよう。
今日にでも行っちゃおうかな…」

早めの方がいいもんね。

私の言葉になにか考え込む様子の七瀬くん。
どうしたんだろう?




「それ俺も行っていい?」

「え、どうして?」

「心配だから。あそこの高校不良多いし」



確かに誠学は不良というか
派手な人が多いことで有名だ。

校則がゆるゆるがばがばらしい。

んーでもなあ。見た目派手でも同じ高校生だしなあ。そんな心配するようなことないと思うんだけど。


と、それをそのまま七瀬くんに伝えれば


「あそこ男子校だよ。そこに橘さん一人で行かせられない。ということで俺がついて行くのは決定事項ね」


と半ば強引に話を持ってかれた。


まあ、七瀬くんがいた方が心強いのは確かだからむしろ助かるは助かるんだけど…。

せっかくだしお願いしようかな。



「じゃあお願いします」

「もちろん」