今まで忘れたけどわたし今スッピン!

髪の毛もボサボサ!
むりむりむりむり!!

見られた!スッピン見られた!

それに気づいてしまい、恥ずかしさで消えたくて顔まで布団をかぶる。


消えたい。ホント消えたい。






「橘さん?どうしたの?」


いきなり布団の中に潜り込んだ私に驚いたのか七瀬くんが心配そうに声を掛けてくる。






「むりむりむり。お願いします。出て行ってください。むりむりむりむり」

「……」







スッピンがね可愛い子だったらお風呂上がりの私可愛いでしょ?水も滴るいい女ってね!
きゃは!
ってなるけど私違うから!?


メイクと髪型でどうにかなってる系だから!?

髪もセットしてないメイクもしてない私はのっぺらぼうだから!?

人様にお見せできるようなお顔じゃないから!







「早く出てってください!お願いします!」

「…理由話してくれたら出てく」

「今私スッピンなの!!
はい!話したから出てって!」





布団にくるまりながら大きめの声で言う。

七瀬くんの分の布団もとってやったわ。

それより早く部屋戻ってくださいお願いします。







ーー………。







…全然でていく気配ないんですけど!?




布団の中で悶えていると、布団の上に手が置かれた。




「…ごめん。無神経だったね」



……そんな切なそうな声出さないで!?

とても申し訳ない気持ちになるよ!

それに七瀬くんが謝ることじゃないのに!







その後も七瀬くんからのごめんね攻撃が続き、さすがに良心が痛み





「謝らないでえええ!!!七瀬くん悪くない!私が気にしいなだけ!!私が悪かったです!!」





勢い余って布団から出てしまった。




そんな私を見て

「やっと出てきた」

と笑う七瀬くん。








ヤラレタ。