驚いて横を見てみると、ふぁ!?!?

な、な、な、七瀬くんの頭が私の肩に乗ってるううう!!?

な、状態になっていたのだ。



嘘だろ、やばいやばいやばい。やばいよ。




それにしても陶器のように綺麗なお肌…。羨ましい…。髪サラサラかよ……。羨ましい…。

ってそうじゃない!!


このままじゃ私の心臓がもたない。

というか肩に心臓があるんじゃないかってくらい肩がびくびくするんだけど。


女子ならまだしも男子だよ!?

こんな状況あってはならない。


ごめんね、と心の中で謝まり
そっと七瀬くんの頭を手で向こう側に押す。




……押したのだけれど、びくともしない。

え、壁ですか?

というくらい動かない。
動かない、動かないよ!?

なんでやねん。こんなに頭小さいのにこんな重いはずなくない!?



ふんっ!

もう一度力いっぱい押してみたけれどびくともしない。

…諦めるか。

とりあえず私の心臓、落ち着け。

今私の肩に乗っているのは壁だ。

いや、壁は無理がある。ならお地蔵様だ。

意識したら負けだ。


全神経を反対側の肩に。




…それにしても、寝顔まで綺麗とか。

私、寝顔は誰でもブサイクになるものだと思ってたよ。神様って不公平。





そして北海道に着くまでの間、私は耐えた。

耐えたぞ。







ちなちに目覚めた七瀬くんは無邪気な笑みで一言

「快適だった」

そう言って飛行機を降りて行った。






ーーーー……起きてたんじゃないよね?!