…声かけにくい。かけにくいよ!

近くにいる女の子達が七瀬くんにどう話しかけようか相談してるの聞こえてくるんですけど!


ああっと!話しかけに行った!!

女の子ふたり、七瀬くんの元へ行ったぁぁ!

早くも連絡先を聞いているぅぅ!



七瀬くん、「俺なんかの聞いても意味ないよ」って優しく言って断ってるぅぅ!

女の子ふたりめげずに、遊びに行こうと誘ってるぅぅ!




「女の子と待ち合わせしてるんだ、ごめんね」



断ったぁぁ!女の子ふたり断られて悲しそうだけど七瀬くんの困り笑みにキュンキュンしながら立ち去っていったぁぁ!


天然たらし炸裂ぅぅ!







「……橘さん、早くこっちおいでよ」




ーーーー…そして気づかれてるぅぅ!!!











「……いつから気づいてました?」

「あのふたりが声かけてきた時」

「あ、かなり最初の方ですね」

「ですね」

「………」

「………」

「な、七瀬くん」

「はい」

「なんでさっきから
目を合わせてくれないんでしょうか…」

「そんなことないよ」






「いや、嘘つけえ!さっきから全然私の顔見ないじゃん!もしかしさっき助けなかったら怒ってる?なら謝るよ!」





「…それは全然気にしてないんだけど…」

「じゃあなんで?」

「言っていいの?」

「うん、言ってくれなきゃわかんない」






はぁ、とため息をついた七瀬くんがようやく私の顔を見た。


そんな彼の顔はなんだか少し赤くて。





「…そんなに可愛いと思わなかった」



「……」



「橘さんはいつも可愛いけど、今日は特別可愛くて顔見られなかったし、特別可愛い橘さんを今日1日独り占めできるのが凄い嬉しいし、持ち帰りた「ストーーップ!!」







え、ちょっとなに言ってるのこの人!?

なんて?

いつも可愛い?今日は特別な可愛い?

壊れたか!?

しかもなんか最後怖いこと言おうとしてたよね!?
七瀬くんこんなキャラじゃないじゃん!











「じゃあ行こうか」

切り替えるの早いな!?




「…ナチュラルに手繋ごうとしてるけど、繋がないよ!?」


「なんで」


「こういうのは付き合ってる同士がするものだから」


「…この前抱きしめてもなにも言わなかったのに?」


「あ、れは!状況が違うでしょ…!」


「なら早く付き合ってよ」


「強引だね!?」







これ今日1日大丈夫か、私…。