天然たらしが本気を出す時。



……ああ、やばいやばいやばい。

そうだよ。未だにこの2人は私のあの嘘を信じ
私が七瀬くんを好きだと思っているんだ。

しかも声でかいしうるさいし!

七瀬くんはもちろん、クラスのみんなの視線がこちらに集まる羽目になってるじゃないか。






「じゃあ、中谷も一緒にいい?」

「「もちろーん!おいでおいで」」

だから声でかい!





というか、七瀬くんオッケーするのかーい!








結局、私たちのグループは
私 マイ ミユ 麻里ちゃん 堀北 安藤くん 七瀬くん 中谷くんの8人になった。

結構な大所帯になってしまった。

グループごとに計画を立て、気づけばあっという間に放課後になった。





そしてマイとミユがやたらとニヤニヤしていると思っていたら「これ、担任に提出してきてくれない?七瀬くんと2人で」と言い残し、私が返事をする間もなく2人は帰ってしまった。



渡された計画表を眺め、近くにいた七瀬くんを横目でチラリと見る。

七瀬くんが聞いていなかったら1人で行こう。

そう思っていたけれど

「行こっか」

はい、聞こえてたーー。








「でも、私1人で行けるし…」


「俺頼まれたことはちゃんとやりたいタイプだか
ら」






とってもえらいですね!

でもね、はっきり言うよ!?

今は七瀬くんと2人きりになりたくないんだってば!
昨日のことがあるし気まづいし、何話していいかわからないし…!







「じゃあ行こっか」




七瀬くんはなにも気にしてなさそうね!?