天然たらしが本気を出す時。




「よし、終わったね。お疲れ様~」

「お疲れ様」


図書委員の仕事も終えたしやっと家に帰れる。

今日1日長かったなあ。
早く家に帰りたい。あったかいご飯食べたい。お風呂にゆっくり浸かりたい。




「橘さん電車?」

「うん、そうだよ」

「じゃあ駅まで一緒に帰ろう」

「そうだね~」












いや 『そうだね~』じゃないよ!

なにさらりと返事してるの私。

それよりまるで息を吐くかのようにナチュラルに言ってきたね!?七瀬くん!


そして私もナチュラルに七瀬くんの隣を歩いてるけどな!




「い、いやぁー。それにしても暑いねえ!」


しまった。ぎこちなさが隠せずおじさんみたいな話し方になってしまった。


だって仕方ないよこれは。

私と七瀬くんそこまで仲良くないんだよ!?



むしろ委員会が同じになるまでほとんど話したことなんかなかったのに、これだよ!?

一緒に帰る!だよ!?





付き合いたてのカップルだって一緒に帰る時に話が続かなくて気まづくなったりするのに、七瀬くんとだともっと気まづくなるじゃん!





ーーー…と思っていたのだけれど





「ははっ、七瀬くんの弟くん可愛すぎるっ」


「そう?
俺は橘さんのお兄さんの方が可愛いと思うけど」


「いやいや、お兄ちゃんはただのバカだよ~」






………なぜか盛り上がってしまった。

だって七瀬くんと話すと凄い楽しいんだもん。

今まで委員会の事とかでしか話したことなかったけど……そっか。七瀬くんってこんな感じなんだ。

無口な方かと思ってたけど、そんなことなくて。

楽しそうに話してくれるし私も話もちゃんと聞いてくれる。




それに笑った顔がとにかく可愛いのだ。





七瀬くんの独特の雰囲気というか、暖かい空気が私はわりと好きみたいだ。