涙を流している麻里ちゃんは、とても可愛くて。


一瞬そんな麻里ちゃんに見惚れそうになったけれど、私はそれどころではなくて

いや、だっておかしいじゃん。

え、おかしいよね!?

私の感情、間違ってないよね?





「あの、、」

二人の空間に恐る恐る入っていく。

「小菜、ちゃん、?」

「…橘さん?」


驚いている二人に


「あの、盗み聞きするつもりはなかったんだけど、ちょっと会話聞こえちゃって。。」






あはは、と苦笑いをする。

と、早く麻里ちゃんに言わなくちゃ。


堀北のことは好きじゃないって。

なにを思って私が堀北のことを好きだと言っているのかわからないけど、私は七瀬くんが好きなんだから。




「えっと、私堀北のこと好きじゃないよ。
だから麻里ちゃんが心配することなんてなにもないし、別れるなんてそんなこと言わないでよ」





私のことで堀北と別れられても困るのだ。

そもそも堀北が私のことが好きなんて、そんなことあり得ないし。あいつは麻里ちゃんにぞっこんだ。