「それにしても、本当橘さんってお人好しだよね」



私がおかゆを食べる姿を見ながら、呆れ顔で七瀬くんがそう言った。


お人好し…?


その言葉に少し悩み、さっきの麻里ちゃんのことかと一人納得する。



でも違うんだよ。



私はお人好しではなくて、ただ断ることができない、嫌と言えない、臆病な性格ってだけなんだよ。




「そういう所も含めて好きなんだけどね」

「変わってるね」

「そうかな?
でも俺が橘さんを好きになった理由はそれだよ」



突然の七瀬くんの告白に思わず


「えっ、ゴホッゴホッ」

おかゆを喉に詰まらせた。



そんな私の背中を大丈夫?ほら水飲んで。とさすりながら彼はまた話し出す。




「図書委員の集まりでの資料作成係を決めた時のこと覚えてる?」


「あー、、はい。覚えてます」


「あの時、資料作り誰もやるって言わない中、橘さん手あげたでしょ」



「それは…みんな忙しそうだったから…」



「橘さんそれからずっと一人で資料作りしてたよね。パソコンの使い方わかんないくせに」



「ちょ、言い方!」