天然たらしが本気を出す時。



フィルターを取って見てみた麻里ちゃんはどんな感じなのだろう?

そう思い、教室をキョロキョロと見渡し麻里ちゃんを探すけれど、まだ来ていないようだ。



あ、でも七瀬くんいる。
話にいってみようかな?



いや、でも何を話しにいくの?話題とかないけど。
でも話したいなあ。七瀬くんの顔を見たい。

私の席は1番後ろで、七瀬くんは窓側の3列目にいて
ここからじゃ後ろ姿しか見えないし。


と、ぐるぐる考えていると


「……あ、」



七瀬くんがちょうど後ろを向き、目が合ってしまった。




七瀬くんは目が合ったことに一瞬驚いたような表情をして、そのあとふわりと柔らかく笑った。



そして立ち上がり私の席の方へと近づいてくる。



「おはよ、橘さん」

「…お、はよう」

まさか来るとは思わず、目が合った驚きと七瀬くんが近くに来たことの驚きとで心臓がどくどくと波打つ。




そして、私の隣の席の子がまだ来ていないのを確認した七瀬くんは、椅子を私の近くへ持ってきて座った。




こんな距離感なんて、何度も経験したことあるのに。

変に意識してしまう。