「…橘さん好きな人、いるんすか…?」
な、なんて答えればいいんだ…!
しかもこんな道のど真ん中で、こんな会話!
あわあわしながら、どう答えようか悩んでいると
「そうなのっ。今、小菜ちゃんは七瀬くんに好きになってもらえるように頑張ってるんだよ」
私よりも早く麻里ちゃんがそう答えた。
「素敵だよねっ」
とニコニコする彼女とは逆に
「…そう、っすね」
明らかに声のトーンが暗くなった神谷くん。
え。そんなに私に好きな人がいること嫌だった!?
ブスのくせに恋なんてしやがって!的な!?
いや、私だってまだ恋だってわからないんだって。
あんな美少年に恋だなんて身の程知らずなのは自覚してるから!
必死に心の中で言い訳をしていると
「小菜ちゃんって七瀬くんを見るときの目が凄く優しいんだよっ。本当に可愛くて」
と、麻里ちゃんが語りだしてしまったので慌ててそれを止める。
神谷くんにこんな恥ずかしいこと聞かせたくないって!
「……」
ほら、神谷くんなんて一切喋らなくなったじゃん!

