ゴクリと自分の喉が鳴るのを聞きながら、ゆっくりと口を開く。
「…そ、んなことはないと思われます…」
もちろん、正直に作戦のことを言うつもりなど毛頭なく、誤魔化すことを決めたわけだけど。
「………じゃあ何で避けたりしたの」
「…いや、、避けてはない…ようなあるような…」
いいえ、完璧に避けてました。
ええ、七瀬くんの言う通りですとも…!
彼から漂うふんわりとした優しい香りにくらくらしながらも必至で答える。
「……そっか。ならいいんだ」
少し間をおき、そう言って私から少し離れる七瀬くん。
「ねえ、橘さん」
「は、い」
「告白、忘れたとは言わせないよ」
「俺は今も橘さんのことが好きだよ。
諦めるつもりも引くつもりもない。
もし、無視されたり避けられたりしても…」
不敵に微笑んだ彼は
「俺は押す以外の選択肢ないから」
そう言って、階段を降りて行った。
七瀬くんの姿が見えなくなると一気に力が抜けた。
……そ、うだった…。
七瀬くんはそういう人だった…。

