天然たらしが本気を出す時。


お弁当を食べ終わった後


「橘さん、これ一緒に職員室持っていってくれない?」

と、珍しく七瀬くんにお願いをされ
内心凄く嬉しかったのだけれど
作戦のことを思い出し



「…今忙しくて…」

断ってしまった。


そして断ったことにより、またもや七瀬くんにしょんぼりとした顔をさせてしまい心が痛む。



でも、麻里ちゃんが

「じゃあ私が行くよっ」

と申し出てくれたから、七瀬くんを困らせることはなかったのだけど。




そして放課後。

「一緒に帰ろう」

と、言ってきた七瀬くんに無言になる私。




七瀬くんとはよく一緒に帰るのだ。

一駅違いだし、お互い部活もやっていなくて帰る時間も同じだし。

だから、しなれた会話のはずなのに、私から返事がこないことに疑問に思ったのだろう七瀬くんが


「…橘さん?」

と私の顔を覗き込む。