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「おい、白野飯食うぞ」
それからまた1週間ほど経ったけれど、相変わらず私と涼雅くんはふたりでお昼を食べている。
ただ食欲が湧かなくて、まったく箸が進まない日が続いていた。
それはお兄ちゃんと話したあの日からずっと、あまり眠れてなくてご飯も少ししか食べれていない。
神田くんとの関係も変わらないままのため、ダメージが2倍で貧血気味の私。
「最近さらに元気なくなったな」
「え……」
「大丈夫か?目の下にクマできてるぞ」
心配そうな表情で見つめられ、涼雅くんの指が私の瞼の下に触れる。
「あ、うん…あまり、眠れなくて」
あれからのお兄ちゃんは、いつも通り明るい笑顔を浮かべていて。
お父さんやお母さんに呆れられるほどのシスコンを発動していた。
けれどふとした瞬間に見るお兄ちゃんは、やっぱり寂しそうな瞳をしており、あの話は嘘じゃないのだと思った。
無理をしているのだ。
わかっているのに何もしてあげられない私はどこまでも力のない人間。
「なんかあったのか?」
「……っ」
自己嫌悪に陥り、うまく笑えない私。
そのため涼雅くんは私の心を見透かすように聞いてきて。
気づけば頬に涙が伝っていた。
ひとりで溜め込むことも辛いし、かといって家庭内の話を他人にするのはどうかと思っていたから、余計にどうすればいいのかわからなくて。
「ほら、泣くなよ」
「ご、めなさ……っ」
私が泣き出してしまうから、それを見ていた周りが少しざわつき始めてしまった。



