やっぱりお兄ちゃんを見て、いつもと様子が違うと思った。
1週間前ほどに泣いていたのと何か関係があるのだろうか。
「お兄ちゃん…?」
恐る恐る名前を呼べば、すぐにお兄ちゃんは私のほうを向いて笑顔を浮かべた。
それもやっぱり無理矢理作っているようにも見える笑顔。
「未央遅いぞ、食べようかと本気で悩んでたんだからな!」
「だ、ダメだよ……私が食べるの」
「ははっ、本当に好きなんだなぁ」
「うん。お兄ちゃんの作った料理、全部好きだよ」
「おお、どうしたんだ未央…!そんな素直になって」
なんだか今のお兄ちゃんに違和感を覚えたから、たまには素直になろうと思った私。
するとお兄ちゃんはすごく嬉しそうに笑ってくれたけれど───
やっぱり今日のお兄ちゃんは、いつもと様子が違うように思えて。
うまく言葉では言い表せないけれど、空元気にも見えた。
「お兄ちゃん」
そのため、お風呂あがりにリビングのソファに座るお兄ちゃんに思い切って声をかけることにした。
「ん?どうしたんだ未央」
私の呼びかけに対し、力なく笑うお兄ちゃんはまだ無理している様子。
「何かあったの…?」
どのように聞けばいいのかわからないため、率直に聞いてしまう私。
「何か…?別に何にもないぞ!
強いて言うなら未央がかわいくて……」
「無理、しないで」
お兄ちゃんの言葉を途中で遮ってやった。
だって今のお兄ちゃんは私の知っている姿じゃなかったから。
「わかるもん、ずっと一緒にいたから…お兄ちゃんの様子が違うことくらい」
「……未央」
私の言葉が届いたのか、揺らぐ瞳で私を見つめてきたかと思うと───
ぎゅっと私を抱きしめた。



