闇に溺れた天使にキスを。




「りょ、涼雅くん…?」


本人は食べるのをやめ、肩を震わせながら笑っている。

何にツボったのかまったくわからず、ひとり戸惑っていると───



「悪い、本当におかしくてな」


謝りながらもまだ笑っている涼雅くん。
いったい何が面白いのだろう。



「ラブホまで来たのに何かするどころか、コンビニの飯食ってさ。ラブホの意味ねぇ」

「え…っと」
「こんな優雅にラブホで過ごすとか初めてだわ」

「優雅…」


いつもここに来たら逆に何をしているのかだなんて、そんなこと考えなくてもわかるけれど。

まだ高校生なのに、涼雅くんは本当に“そういうこと”をしているのだろうかと思って少し信じられなくなる。


「まあこんなとこ来たからって、お前みたいなガキに欲情とかするわけねぇけど」

「なっ…!」


けれどここで、お得意の意地悪発言をされ。


「そんなの知ってるもん」


私は見た目も中身も子供だ。
ふたりの生きる世界にいる女の人とはまったく違う。


「ただ、今のお前が一番いいと思うかな」
「……今更慰めたって遅いよ」

「真面目な話。結構かわいいと思ってる、お前の見た目も中身も」


一瞬、耳を疑った。

いつもバカにしてくるばかりの彼の口から、褒め言葉が出ただなんてきっと何かの間違いだと。


「嘘だ」
「抱きたいとは思わねぇけど」

「……っ、変態」


涼雅くんは中々刺激の強い言葉を平気で使う人だ。
私は慣れていないというのに。