今日の時間割は比較的に楽なほうで、3時間で授業が終わった。

ただ授業中は朝のことばかり考えていたため、ほとんど集中できなかったけれど。


「……どうしよう」


まさかこのような形でバレるとは思っておらず、焦ってしまう。

あの様子だと、お兄ちゃんはしばらく拗ねていそうだ。


それでもいつかはお兄ちゃんに言わないといけないなと思っていたため、これをチャンスだと思うべきなのかもしれない。

とりあえず今日、帰ってからもお兄ちゃんと話そうと思っていたその時。


「白野未央さん」


私の名前を呼ぶ、女の人の声が耳に届いた。
ヒヤリとしたのが自分でもわかった。

だってその声の主は───


「……宮橋、先生」


養護教諭である、宮橋先生だったから。
綺麗でスタイルの良い先生の姿が目に映る。

さらには堂々としているため、キラキラ輝いて見えた。


「あなたのことを探していたの。
今日ってこの後、時間ある?」


私の目の前までやってきた宮橋先生にまっすぐ見つめられ、質問される。


「あ、あの…」

どこか鋭い視線に、私は言葉を詰まらせてしまう。


「組長が、あなたを呼んでいる」
「……え」


一瞬、頭が真っ白になった。
宮橋先生は今、なんて───?