もうすでに私は、神田くんに染め始められている。
頭の中はもう、彼でいっぱい。

彼のことしか考えられなくなっている。


「……か、んだく…」

息が持たなくなると、彼は少し唇を離してくれる。
けれど少し酸素を手に入れたところでキスをされるの繰り返しで。

さすがの私も色々限界のため、息継ぎの時に彼の名前を呼んだ。


「もう、ダメ?」


彼は少し息を乱す程度。

それに対して私はいっぱいいっぱいで、不慣れなのがバレバレだ。


「だ、め……息が」


振り絞るような声しか出せない。
もうとっくに限界を超えていたらしい。


彼のシャツを持つ手が震える。
うまく体全体に力が入らない。


「……ふっ、かわいい。
これだけでそんな姿になって」


さっきの余裕のない表情は何処へやら、今の彼は余裕でいっぱいだ。

私の反応を見て小さく笑い、そして頭を撫でられる。


「でも、そんな姿の白野さんを独占できて嬉しい」


思わずゾクッとするほどの綺麗な笑顔。
妖艶に笑うその姿に、体が硬直してしまう。

やっぱり神田くんは危険だ。
私の思考を奪い、そして体の自由までも奪う。


それも、彼の言動やちょっとした行動だけで。
私はこうなってしまうのだ。