「わ、私はひとりで大丈夫です!」


総長と副総長なのだから、ふたりともここに残るべきなのだ。


「いや、それはもっとバカだから。
お前、ここがどれだけ危ねぇかわかってから言え」

「ひとりで帰るつもりなら、俺は白野さんをここから出さないからね」


けれど私の言葉に対し、ふたりとも猛反対してきた。
ひとりで帰ることは許されないらしい。


「じゃあもう俺が行くわ」
「え……涼雅くん、が?」


どうすればいいのかわからないでいたら、涼雅くんが自ら名乗り出た。


「なんだよ、嫌なわけ?」
「いや、決してそんなつもりは…」

「ならいいだろ。
佐久間、これなら文句ないよな?」


涼雅くんが神田くんのほうに視線を向ける。


「文句しかないけど、仕方ないよね」
「なんでだよ。逆に俺のほうがいいんじゃねぇの?」

「涼雅も白野さんのかわいさにやられてるから、頷けない」

「なっ……!」


神田くんはさっきから何を言っているんだ。
聞いているこっちが恥ずかしくなるから本当にやめてほしい。