遊びに行く時も、もちろん心配される。
誰と行くのか、どこに行くのか。
そこは安全な場所が、男は一緒じゃないのかなど。
大事にされているらしいけれど、少し重すぎる。
今回も、帰りがいつもより遅くて心配しているお兄ちゃんからのメッセージだった。
【未央、何かあったのか?大丈夫?すぐ駆けつけるからどこにいるか教えてくれ!】
文面的に、私を心配していることがすぐにわかった。
慌てて返信しようと思ったけれど、この状況をどう説明すればいいのかわからない。
そもそも言ってしまえば恐らくお兄ちゃんは壊れてしまう。
少なくとも神田くんの名前を出してしまうことになるだろうから。
そのため、まだ神田くんといたかったけれど、帰る選択をとることにした。
【大丈夫だよ!もうすぐ帰るね】
そう返信してからスマホをポケットに直し、顔を上げて神田くんのほうを向く。
「あの、そろそろ帰るね…」
自分でもわかるくらい、弱々しい声。
まだ帰りたくないのが本音だったから。