ひどい言われようだ。
私は何もしていないというのに。
どちらかといえば巻き込まれた側だ。
「でも実際、みんなも戸惑ってるぜ?
周り見てみろよ」
「周り…」
涼雅くんの言われた通り周りを見渡す。
何ということだろう。
全員が戸惑いと驚きが混じったような表情をしていた。
それは足立先輩や平沢先輩も同じようで。
「ほらな。みんな今の総長の姿見て驚いてる」
「ど、どうして?」
さすがにここまで驚く必要はないんじゃないかと思ってしまう。
「こんな女にデッレデレの総長なんざ見たことねぇからな。優しくて意地の悪いところもだけど」
「そ、そんなに…なの?」
いったい、ここでの神田くんの姿はどんな感じなのだろう。
逆に気になってしまう。
けれど確かに足立先輩や平沢先輩、涼雅くんまで神田くんに怯んだ姿を見せていた。
「ああ。だって普段の佐久間は…」
「涼雅。あまり変なこと白野さんに言わないで」
一番聞きたいところを神田くん本人によって制されてしまう。