「それは、その……」


全部、本当のことを言うのは恥ずかしくて。
さらに熱が帯びていく。

けれど何も知らないであろう彼は、私が答えるのをただじっと待っている。


「神田くんに、触れられてるから」

これが限界。
思わずぎゅっと目を閉じる。


「……ふっ」


真っ暗な視界の中で、神田くんが小さく笑ったのがわかった。

恥ずかしいと言ったのに、今度は頬を撫でるように触れてきて。


「純粋で、かわいいね」
「え……」

胸がドキドキしてうるさい中、神田くんが私を褒めた。
かわいいなんて、ありえないのに。


ゆっくり目を開けると、視界に映る彼の穏やかな笑み。


「俺さ、感情の表現は苦手だけど、相手の感情を読むのは得意なんだよね」

神田くんの言葉をすぐには理解できず、何度も何度も頭の中で繰り返す。