「綺麗だと思ったよ」


真っ直ぐ向けられた視線に、言動に、胸が高鳴る。
頬が少し火照ったようで、熱くなった。


「……頬、赤い上に熱くなってる」


ふと、彼の手が伸びてきて、私の頬に添えられた。

胸がドキドキとうるさく鳴り、神田くんから視線を外すようにして俯く。


恥ずかしい、けれどそれ以上にドキドキした。
神田くんは意外と触れてくる人。

もちろん物理的に。


「今、どうして赤くなったの?」


そんな質問、普通なら恥ずかしくて答えられないけれど。
感情がわからないのか、不思議そうに聞いてきたから。


「は、恥ずかしくて…」

素直に答える自分がいた。
これで少しでも、神田くんのためになるのならと。


「恥ずかしいのは、どうして?」

けれど彼の疑問は増すばかり。
一方私も、恥ずかしさばかり増していく。