闇に溺れた天使にキスを。




「じゃあ俺は、白野さんの初めてを奪ったんだね。
罪深い人間だ」

「つ、罪深いだなんて…」

さすがに言い過ぎだ。
罪深いと言うほど、重く捉えなくてもいいような気がする。


「だって純粋な子に俺は手を出したんだよ?
簡単に許されることじゃない」


それなら、キスをしなければ良かったのに。
彼はどうして私にキスをしたのか。

この間は逃げられないようにするためだって、言っていたけれど。

今回のキスにも、意味があるの?


「だから、責任とらないといけないね」
「……え」


責任?
責任をとるって、どういうこと?

真意がわからないため、思わず顔を上げてしまう。


先ほどまでと変わらないくらい、彼が至近距離にいたけれど───

どこか色っぽい、危険さをも感じられる瞳が私を捉えた。


「最後まで俺が白野さんを大事にするって」


優しい言葉のはずなのに、思わずゾクッと体が震え、その瞳から逃れられなくなる。