「信じてない顔してる」


どきりとした。
神田くんがいとも簡単に私の心理を当ててしまったから。

もしかしたら、顔に出ていたのかもしれない。


「だって、神田くんが私と……?」

話したかった、だなんて。
到底信じられない。


「本当だよ。
白野さんって、よく図書室に行ってるよね」


また、どきりとする。

確かに私は、図書室での彼の存在を知っていた。
けれどまさか、彼も私のことに気づいていただなんて。


「う、うん…」

「それで、よく図書室の先生とも楽しそうに話してるから、白野さんは本が好きなのかなって思って」


全部合っている。

高校一年の時から図書室に通っていたから、いつしか図書室の先生と仲良く話す関係になり。

今ではオススメの本を教えてもらったり、互いに好きな本を共有したりと、さらに話すようになったのだ。