「俺の名前呼んだけど、用って何?」

俺の心の無い冷たい声が響く。

「くっ、う。仲間、手出すのは許せねぇ。」

「あぁ!?仲間!?」

「前、陽と二人で俺らの仲間をやったろ!?」

俺は少し考えて思い出す。

前のゲーセンの帰りのことか。

「あぁ、向こうからだし。」

俺は呟くように小さく言ってから手を離した。

下駄箱に放ってあった鞄を拾い、階段を登り始めた。