そんな穏やかな毎日を送っていた僕たちだが




僕たちの所属するバスケサークルはあらぬ方向に進み出した




ある熱血集団が夏休みの遠征に向けて燃え始めてしまったのだ




そもそも僕は誰もが楽しめる存在というのがサークルであると思っていたから




燃えている集団が初心者をも巻き込んでしまうようなその事態はおかしいと思った




経験者ばかりが楽しんで初心者が肩身の狭い思いをする




どう考えても僕にはおかしく思うて仕方がなかった




サークル長の翔平もこの状態には困っていたようだった




何故なら翔平も僕に似通った考え方の持ち主で




初心者のことをよく考えていたからだ




さらには副サークル長の不甲斐ない存在がその事態をより助長したのだった