(楓子、大丈夫か? メシちゃんと食ってる? )


 インターフォン越しの颯の声が、やけに優しく聞こえる・・・


 楓子は門の施錠を解除した。


「入って下さい・・・。もし、車でしたら、そのまま入って頂いて、玄関近くに止めてもらって構いません・・・」


(ああ、分かった)


 楓子はリビングのソファーに座った。


 
 車の音が近づいて来て玄関の前で止まった。


 楓子は立ち上がり、玄関に向かいカギを開けた。


 カギを開けると、ブルーのシャツにジーンズとスニーカー姿の颯が入って来た。


 手には買って来てくれたのか、食料の入った袋と、美味しそうなケーキが入っている箱を持っている颯。


「押しかけてごめん。お前が1人で苦しんでいるんじゃないかって思ったら、心配でたまらなくて来てしまったんだ」

「すみません、よけいな心配をかけてしまって。・・・散らかっていますが、入って下さい・・・」


 リビングに案内されると、とても広いリビングとキッチンに颯は驚いた。


 キッチンのテーブルに買ってきた荷物を置くと、颯は楓子を見た。


「大丈夫か? 随分痩せたんじゃないか? 」

「・・・いいえ・・・大丈夫です・・・」

「色々大変だったんだ。ゆっくり休めばいい。俺、なんか作るから座って待っててくれ」

「そんな・・・気を使わないで下さい・・・」


「何言ってるんだ。病気の時くらい、人に頼ればいいんだ」

 

 こんなに優しい人なんだ・・・

 見かけは俺様的な冷たい感じが受けたけど、今の颯はとても幸せそうな顔をしている。

 
 とても優しくて包み込んでくれる・・・。


 甘えてもいいのだろうか?


 楓子は何故か自分を責め始めていた。