私は慌てて沙絵ちゃんに駆け寄る。


「………ねぇ、どういうことなの?」

か細い声で沙絵ちゃんが聞く。



「あのね、本当は、私たち、付き合ってなかったの。
クラス中が祝福したとか言ったのも、全部ハルキ君の嘘。
私はハルキ君に告白して、振られて、だけど沙絵ちゃんがハルキ君のことを好きなのか確かめるために、カレカノのフリをしたの。」


沙絵ちゃんは、呆然としている。