そんな彼女の近くで練習をしている拓海の姿を見て、どうしようもない私の心は複雑な気持ちになってしまう。 あんなの、いちいち気にしてなんていられないのに。 拓海はサッカー部で、彼女はそのマネージャー。そんなの、いまに始まったことじゃないのに。 「……ほんっと、どうしようもない」 どうしようもないくらい、拓海が好きで好きで、困る。 グラウンドにはジャージに着替えた優希くんが入ってきて、準備運動を始めていた。 スコアボードばかり見ていた白石さんが、そんな優希くんの姿を確認して駆け寄る。