おてんば姫の手なずけ方～侯爵の手中にはまりました～

議会の開始は議長の挨拶から始まった。

そして今日のメインの議題、アッサム地域の議題になった途端、大臣たちは一斉にリンネに向かって口撃を始めた。

「リンネ王女、アッサム地域の改革は今後どのように進めるおつもりですか、貴女の意見が聞きたい」

「そうです、貴女は口先だけアッサム地域を変えると言ってるけど、実際に行動していたのはクリス王子ではないか。
今はもうクリス王子も特に何もやっていないらしい。
この先はどうしようと？」

「リンネ王女、黙っていないで何か発言なさってはいかがですか？
それとも怖じ気づいて何も喋れないとか？」

ひとりに対して、議長とエリックを除いた全ての人が口撃をしたにも関わらず、リンネは怖じ気づくことなく返答した。

「私は、明日アッサム地域に行きます。
そして現状がどのようになっているのかを確認して、今後の対策を決めます。
先伸ばしにしているわけではなく、しっかりと適切な対応をできるようにということなのでご心配なく」

どうせ口先だけだろうという声が広がったが、その声はエリックの一声で消えた。

「リンネ王女、私も明日着いていきます」

エリックはリンネにそう告げると、リンネは静かに頷いた。

「ふんっ、どうせ行ったところでちゃんとは見ないんだろ？
だって、あんなことがあったところに自分から進んでいくとか考えられない」

「それ以上、不敬な発言をするのはやめなさい。
そのような発言を続けるようであれば退席を求めます」

大臣の発言にもリンネは決して屈することなく、その日の議会は終了した。

リンネとエリックだけは明日の予定を組むために、議会が終わってもその場に残っていた。
大臣たちはそれぞれ部屋を出ていくときにわざと聞こえるように憎まれ口を叩いていたが、リンネもエリックもその挑発にのることは一切しなかった。

言いたければ言えばいいと、そう考えていたからであった。