「いらっしゃい!!
注文が決まったら呼んでおくれ!」
ふたりが入ったお店はいわゆる食堂のようなところで、何席かのテーブルがすでに埋まっていた。
空いている席に腰かけ、メニュー表を開くとエリックはリンネに何を聞くわけでもなく、適当に何品か頼んだ。
どうして自分には何も見せてくれないのかと少しふてくされたリンネであったが、その気持ちは料理が運ばれてくると同時にどこかへ吹き飛んだ。
「さぁ、食べよう。
さっきはすまなかった、勝手に頼んでしまって…
ただ、少しでも早く出てきそうなものを選んで早く視察に戻った方がリンネも喜ぶと思って」
申し訳なさそうに言ったエリックに対してリンネは「ありがとう、私のことを考えてくれて」と少し頬を赤らめながら呟いた。
この食堂で出された料理は普段王宮で食べているものとは使っている材料の質も作る工程の複雑さも全然違うはずであった。
それでもこの料理をおいしいと素直に思えるのはやはり作った人の顔を見ることができて、その思いが伝わってくるからなのだろうか、とリンネは思っていた。
おいしそうに食べる姿を見ていると、エリックもこのお店を選んでよかったと思うことができた。
「ご馳走様でした!
おばさん、とてもおいしかったわ!
また来てもいいかしら?」
「あぁ、いつでもこの店はやってるから好きな時においで!
嬢ちゃんたちみたいな初々しいカップルが来るとこのお店が一気に華やかになる。
それに自分の作った料理をおいしい、おいしいって食べてくれる客を見ているとこっちも嬉しくなってまた頑張ろうって思えるから」
勘定を終えるとリンネと食堂のおばちゃんで他愛のない会話をした。
ふたりは一応婚約者同士であってカップルには変わりないのだが、いざ他の人にカップルなどと言われてしまうとちょっと恥ずかしい気持ちになった。
このお店では王女であることも一緒にいる相手が侯爵であることもすべて忘れることができるらしくリンネは店を出るまで終始笑顔だった。
注文が決まったら呼んでおくれ!」
ふたりが入ったお店はいわゆる食堂のようなところで、何席かのテーブルがすでに埋まっていた。
空いている席に腰かけ、メニュー表を開くとエリックはリンネに何を聞くわけでもなく、適当に何品か頼んだ。
どうして自分には何も見せてくれないのかと少しふてくされたリンネであったが、その気持ちは料理が運ばれてくると同時にどこかへ吹き飛んだ。
「さぁ、食べよう。
さっきはすまなかった、勝手に頼んでしまって…
ただ、少しでも早く出てきそうなものを選んで早く視察に戻った方がリンネも喜ぶと思って」
申し訳なさそうに言ったエリックに対してリンネは「ありがとう、私のことを考えてくれて」と少し頬を赤らめながら呟いた。
この食堂で出された料理は普段王宮で食べているものとは使っている材料の質も作る工程の複雑さも全然違うはずであった。
それでもこの料理をおいしいと素直に思えるのはやはり作った人の顔を見ることができて、その思いが伝わってくるからなのだろうか、とリンネは思っていた。
おいしそうに食べる姿を見ていると、エリックもこのお店を選んでよかったと思うことができた。
「ご馳走様でした!
おばさん、とてもおいしかったわ!
また来てもいいかしら?」
「あぁ、いつでもこの店はやってるから好きな時においで!
嬢ちゃんたちみたいな初々しいカップルが来るとこのお店が一気に華やかになる。
それに自分の作った料理をおいしい、おいしいって食べてくれる客を見ているとこっちも嬉しくなってまた頑張ろうって思えるから」
勘定を終えるとリンネと食堂のおばちゃんで他愛のない会話をした。
ふたりは一応婚約者同士であってカップルには変わりないのだが、いざ他の人にカップルなどと言われてしまうとちょっと恥ずかしい気持ちになった。
このお店では王女であることも一緒にいる相手が侯爵であることもすべて忘れることができるらしくリンネは店を出るまで終始笑顔だった。

