それからも他愛のない会話が少しの間続き、やっと本題に入った。
「すまん、すまん。
ついつい話し込んでしまった…
私には何人か子どもはいるけど、息子しかいないから若い女性と話せて楽しかった。
して、今回サハール皇国に来た目的は?」
本題に入ったため、リンネは一度姿勢を正してから話し始めた。
「お恥ずかしい話なのですが、およそ1年前に愚弟が人身売買を行いまして…
どうやら貴国にも我が国からその人身売買によって売られた女性かもしれない人たちが入国したらしく…
その真相を確かめ、もし我が国の女性たちならばエルディール王国へ連れて帰りたいのです。
もちろん、すぐにとは申しませんが…」
エルディール王国の元皇太子が人身売買を行なって廃太子となり、リンデン国際刑務所に収容されたという話はこの辺りの国々では有名な話であった。
だからか特に取り乱すような素振りもなく、皇帝は相づちをうっていた。
「そういうことだったのか。
だが探し出せるかわからないぞ。
この国に入国しようとしている人は全て国境警備隊が確認しているから、入国したのか否かはすぐに調べられる。
しかし入国してからはどの街に行くのも各々の自由にしているので、どこに行ったのかはこちらでは把握できない…
助けられることはこちらでも協力しよう。
政務の合間に行うことになるから、どこまで手伝えるのかはわからないが…」
「入国したのかどうかだけわかれば、十分でございます。
いるかわからない人を探すよりも、いるとわかっている人を探す方が気持ちも楽です。
お願いがございます。
私に馬を一頭貸してはいただけないでしょうか?
それと護衛を数人」
王女の口から馬を貸してほしいという言葉が出てくると思っていなかった皇帝は驚いたものの、「大人しいのを用意しよう、もちろん護衛も」とリンネの願いを聞き入れた。
「ありがとうございます」
リンネは深く頭を下げると皇帝に感謝を伝えた。
「すまん、すまん。
ついつい話し込んでしまった…
私には何人か子どもはいるけど、息子しかいないから若い女性と話せて楽しかった。
して、今回サハール皇国に来た目的は?」
本題に入ったため、リンネは一度姿勢を正してから話し始めた。
「お恥ずかしい話なのですが、およそ1年前に愚弟が人身売買を行いまして…
どうやら貴国にも我が国からその人身売買によって売られた女性かもしれない人たちが入国したらしく…
その真相を確かめ、もし我が国の女性たちならばエルディール王国へ連れて帰りたいのです。
もちろん、すぐにとは申しませんが…」
エルディール王国の元皇太子が人身売買を行なって廃太子となり、リンデン国際刑務所に収容されたという話はこの辺りの国々では有名な話であった。
だからか特に取り乱すような素振りもなく、皇帝は相づちをうっていた。
「そういうことだったのか。
だが探し出せるかわからないぞ。
この国に入国しようとしている人は全て国境警備隊が確認しているから、入国したのか否かはすぐに調べられる。
しかし入国してからはどの街に行くのも各々の自由にしているので、どこに行ったのかはこちらでは把握できない…
助けられることはこちらでも協力しよう。
政務の合間に行うことになるから、どこまで手伝えるのかはわからないが…」
「入国したのかどうかだけわかれば、十分でございます。
いるかわからない人を探すよりも、いるとわかっている人を探す方が気持ちも楽です。
お願いがございます。
私に馬を一頭貸してはいただけないでしょうか?
それと護衛を数人」
王女の口から馬を貸してほしいという言葉が出てくると思っていなかった皇帝は驚いたものの、「大人しいのを用意しよう、もちろん護衛も」とリンネの願いを聞き入れた。
「ありがとうございます」
リンネは深く頭を下げると皇帝に感謝を伝えた。

