また来世、夜に目覚めたら

「ねー、……ちゃん」
 その名前で呼ばないでよ。
 その名前、気に入ってないの。
 そんなことを顔に出してしまっていたか、まったくこの少女といると口には毒を、顔には素直という猛毒があふれるらしい。透子はあっ、と言って
 「……ちゃんの呼び名、私が考えていもいい?何がいいかなぁ」
 「いや、いいなんて言ってないけど」
 「ダメとも言ってないよね」
 彼女はにやっと悪戯が成功した子供のような顔をした。そして私のところどころをじろじろ見だした。私はフードを深くかぶった。
 「ん~…………夜、夜はどう?!そのフード、綺麗な夜空みたいだったから」
 「単純で馬鹿らしい名前」
 「ダメなの?」
 「ダメとは言ってないけど」
 正直、どうでもよかったのもある。
 名前なんて記号のようなものだ。
 だから私は「それでいいよ」と言った。