この出来事がもし夢でなかったのなら、
わたしの名前を呼んだのも、
好きと言ったのも……ぜんぶ凪くんかもしれない……なんて期待を膨らませて、最近ますます意識するようになってしまったのだ。
「……み……ゆ」
だけど、それが凪くんだったという確証があまりにもなさすぎる。
「心結ってば」
「……へ」
京香の呼ぶ声にハッとして、自分の世界に入り込んでいたことに気づいた。
「さっきからずっと声かけてたのに心結ってば、ずっと固まったまま反応ないんだもん。何か考え事でもしてたの?」
「え……あっ、ちょっと前のこと思い出してて」
「もしかして、心結が倒れた時のこと?」
さすが京香。
勘が鋭い……というかわたしがわかりやすいのかな。
「う、うん……」

