あかいろのしずく

「すみません」



僕は目を逸らしました。「なにが?」と純が聞きます。
僕は純の方に歩いていきます。


「すみません」

「だから、なにがなの」

「笑えないんです。すみません」

「いいじゃん。へんなかお、にあってる」

「どこが」



どこが変なんでしょう。
そう言いかけて、やめました。

僕は頬が冷たくなっているのを感じて、腕で顔を拭いました。

本当はもっと、謝りたかったんです。言いたいこともあったし、説教したいこともあった。


でも純が怒りそうだから、今日はこの辺でおしまいにしましょう。



僕は純の前に立つと、しゃがんで目線を合わせました。






「遅れましたね。次は、もう少し早く助けますから」





途中、上ずりながらも、僕は純の目を見てなんとか言い切りました。