あかいろのしずく

歩いて、歩いて、歩きました。



月明かりの下では、手元がよく見えなかったです。
それでも小さなものでも、見逃したくなかったのです。




あれ、でも。





「せんせい」




おかしいですね、眼鏡を外してきたからでしょうか。
目の前がぼやけて、よく見えないのです。


僕は目を擦りました。
けれど、はっきりしたかと思うと、またすぐにうっすらと、水銀灯の明かりの白が滲んで、ゆらゆらと揺れ始めました。




おかしい。おかしいです。



心臓を搾り取られるように、酷く胸が痛む。
僕は純の方に振り返りました。