路地裏に二人が入って言った瞬間、空鉄砲を撃ったような音が空気を裂きました。
僕は慌てて駆け寄ることができませんでした。何が起こったのかもわかりませんでした。
路地裏に入る手前で足を止めると、次に聞こえてきたのは罵声です。
「あー疲れた疲れた! 誰だよ祭りに行きたいなんて言ったのは」
こっそり覗くと、少年は奥からこちらに体を向けて闇を見下ろしていました。
少年はさきほどの様子とは打って変わって、怒りを覚えた顔をしています。
「楽しかったか? 俺みたいなのが彼氏だと一緒に歩いてて楽しいよな、良かったじゃん。俺は全然楽しくねえんだよ、死ね!」
何度も沈むような鈍い音が響き、体に重くのしかかります。
闇の中から、咳き込んだりときどき嘔吐くような声が聞こえてきて、僕は恐る恐る視線を落としました。



