僕は純にあんな笑顔を、見せてもらったことがなかったのです。
いや、もっと言えば、それを通り越しているかもしれません。
もしかして、今まで僕の前では作り笑いしかしていなかったんじゃないかと思うぐらい、それは驚くほど爽やかな笑顔でした。
「なんだ......」
ため息のような、ホッとしたような息をつきます。
浴衣姿の少年少女は、そのまま手を繋いで僕から遠ざかっていきます。
よかった。楽しそうじゃないか。
いつも来ていたカウンセリングに来なかったから、何かあったんじゃないかと心配していました。純は少年と笑い交じりに話していました。
わざわざ謝りに来たけれど、僕はお邪魔だったようです。



