あかいろのしずく

しばらく夜が流れていきました。



それでもなんとか、です。近づいたら向こうが気づいてくれるだろうと淡い期待を抱いて、僕は一つ深呼吸して、前を向いて歩こうとしました。


そしたら、僕の数メートル先を少年が駆けていったのです。




「ごめん、お待たせ」




茶色のかかった髪は、一歩地面を踏むたびに呼応するように、ふわふわと夜風に揺れます。整った顔立ちで、背も高いです。純もその少年も、浴衣を着ていました。


その人物を僕は、しっかりと見たことがありました。








「いえ、大丈夫です!」





純は少年に、そう言って笑顔を見せます。