あかいろのしずく

「昨日は開いていたのに」と純は言いました。確かに、昨日も先月の時も開けていました。



昨日のようなことがあったらと思い、窓は閉めることにしたんです。ドアの鍵も閉めました。純がより安心して話しやすくするために。



......なんて、口が裂けても言えるわけがなかったけれど。




「僕が花粉症なんですよ」




僕は平気で嘘をつきます。



「へえ。開けたらどうなるの?」

「くしゃみします。鼻水が出ます。やばいですね」

「やばいね」

「最近は花粉の量が多いんですよ。今日なんか特に」

「そうなんだ! じゃあ開けていい?」

「人の話聞いてましたか?」




純は椅子から離れて窓の方に向かっていきました。