次の日、カウンセリングを受けに来た純は元通りになっていました。
先月会った時と変わらない。昨日の出来事が嘘だったような顔をしていました。
僕は少しだけ、ホッとしました。
相変わらず走って遅れてやってきたのは、もう何も言わないでおきましょう。
「先生、そういえば名前で呼んだことなかったね」
ところで、話はガラリと変わるのですが、純が言うことのほとんどは、どうでもいいことなのです。
真剣な時は真剣なのに、こういう時はどうしてこうも気が抜けるようなことを言うのでしょう?
僕は別に緊張していないですし、道化っぽく振る舞わなくてもいいのではと思います。
「僕は先生でいいですよ」
「西平(にしひら)、でしょ? 西平先生って呼んでいい?」



