あかいろのしずく


その時。






ドン、ドン。

ドンドン。






ドアを乱暴にノックする音が響き渡ります。純は顔を上げません。自分で自分の身を抱くようにして、震えていました。



僕が思う、彼女の怯えの対象である「何か」は、すぐそこに迫っていたのです。訳が分からないまま、僕はとりあえず机の下に隠れるように言いました。



追いかけられていたのかもしれません。
前も走って来ていたのは、ただ遅れたからではなかったのかもしれません。



先生でしょうか? 
誰なのでしょう?



なにか、嫌な予感がします。





純が完全に姿を隠したのを確認すると、僕は恐る恐る鍵を開けました。