長い、道のりでした。
ここに来るまで、一年もかかったのです。
それから僕は、条件をつけました。
結婚はします。約束しました。
けれど、今じゃありません。
純はちょっと納得できないようだったけど、当然ですね。
もう数える間もなく三年生になります。勉強もこれからますます忙しくなるでしょう。余裕がなくなってしまうと純に負担がかかります。
だから、純が高校を卒業するまで待つことになりました。
僕のためにも純のためにも、これは必要なことだったのです。
雪を被りながら、ふたりで手を繋いで歩きました。
僕は純を家まで送りました。
別れる前にひとつ、キスをしました。
顔を真っ赤にした純にさよならを告げて、僕は駅へと向かいました。
途中ふと、コーヒーのお礼をしなければいけないことを思い出して笑います。
これでまた、純に会う口実ができたのです。



